SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に取り組む企業5選

2021年7月21日、経済産業省が「エネルギー基本計画」の考案を新しく発表しました。新しい基本計画の内容は、再生可能エネルギー比率を36%〜38%に引き上げるというものです。

再生可能エネルギーは温室効果ガスの中でも76%を占める二酸化炭素を増やさないため、今後ますます注目されていくことでしょう。

そこで今回は、特に筆者が注目している、再生可能エネルギーを導入して事業を展開している企業をピックアップしました。

それぞれの企業や事業の内容、手法は違えど、地球環境に配慮したエネルギーで持続可能な社会を作りたいという気持ちはみな同じです。

エネルギーをひとつの手段として、「こんなやり方もあったんだ!」「エネルギーって面白い!」と思わせてくれるような個性豊かな事業をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の監修者

阪口 竜也


阪口 竜也
フロムファーイースト株式会社 代表取締役
一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。環境や貧困といった社会問題をビジネスで解決することに挑戦している。

公式サイト

使った電気の1%を社会活動支援に。新しい応援のカタチを目指す「ハチドリ電力」

地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出をゼロを目指す「ハチドリ電力」は、自然エネルギーの電力を取り次ぐサービスを行う事業者です。

ハチドリ電力では、毎月の電気料金の一部を、社会を良くするために活動されている団体や起業家に寄付し、さらにその貢献度が数値化して見ることができる、という画期的な仕組みを導入しています。

つまり、毎月の電気料金を支払うだけで、同時に社会貢献ができるのです。

どんな支援ができるの?

ハチドリ電力で支援できる団体は、主に社会問題解決に積極的に取り組む事業者や団体です。ハチドリ電力から支援できる団体は現在61箇所、次のような団体が登録されています。

  • 子どもの貧困、教育関連の団体
  • 動物愛護団体
  • 自然環境保護団体
  • 災害復興支援団体

など。

ハチドリ電力が貢献するSDGs

ハチドリ電力を利用することで目標7に示される下記のターゲットに貢献できます。

7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる

7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

ハチドリ電力が解決したい問題は、

  • 人間が排出する二酸化炭素排出削減
  • 化石燃料による二酸化炭素排出ゼロ
  • 世界で起きている貧困や女性不平等などの社会問題
  • 生態系や自然環境の環境問題

などです。

途上国に直接寄付するという方法はイメージしやすいですが、ハチドリ電力を利用することで、必要なエネルギーを得られ、かつ社会問題に貢献するという二重のメリットを兼ね備えています。

ハチドリ電力が他の電力会社と違うところ

ハチドリ電力が他電力会社と違う点は、

  • 二酸化炭素排出ゼロの自然エネルギーしか販売しない
  • 使うほどに自然エネルギーが増える仕組み
  • 電気料金の1%を社会活動団体に寄付
  • 寄付による貢献度が料金明細で確認できる

です。

電力の小売全面自由化となった現在では、電力切り替えを真剣に考えることで二酸化炭素量を減らすことが可能なのです。

check! 電力の小売全面自由化ってなに?

2016年(平成28年)4月1日以降、電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになった。

つまり、ライフスタイルや価値観に合わせ、電気の売り手やサービスを自由に選べるようになった。

経済産業省 資源エネルギー庁「電力の小売全面自由化とは」

今後、地球が良くなるのも、その逆も、私たちがどのエネルギーをメインに使うかで変わってくるのです。電力会社の切り替えを考えられている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

「再エネ普及×児童労働撲滅×教育の機会」3つを同時に実現させたのは牛のお母さん「ソーラーカウ」

Cnet
引用元:YOLK

再生可能エネルギーはクリーンなエネルギーを供給するだけでなく、開発途上国のこどもたちの生活を助ける役割を持っています。

それが、児童労働問題と環境問題を解決するソーラーカウの存在です。

太陽光発電システム「ソーラーカウ」

ソーラーカウとは、アフリカの学校に太陽光発電を設置することで、子どもたちが学校でモバイルバッテリーの充電ができるシステムです。

ソーラーカウの「カウ」というのはその名の通り、牛をイメージしています。

そのシステムは次の通り、

  1. 子どもたちが学校に通う
  2. ソーラーミルク(電力)をソーラーカウから充電する
  3. 充電した電力を自宅に持ち帰って家庭用電気として使う

このように、家庭の電気を学校で補うことで、大人にとっても子どもたちにとっても学校に通うメリットが増えるのです。

アフリカの電力事情

ではなぜ、学校で充電する必要があるのでしょうか。

実はアフリカはケロシンと呼ばれる有害ガスを使用しており、健康被害も多発しています。

check! ケロシンってなに?

本物質は、皮膚および気道を刺激する。 液体を飲み込むと、肺に吸い込んで化学性肺炎を起こすことがある。 中枢神経系に影響を与えることがある。 意識低下を生じることがある

World Health Organization

さらに、電力の高騰が問題となっており、電気料金を支払うために児童労働を強いられる子どもたちが多くいます。

ソーラーカウが貢献するSDGs

ソーラーカウは目標7に加えて、1と4にも貢献しています。

目標7についてさらに踏み込むと、貢献しているターゲットは以下の通りです。

7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

再エネの存在はインフラ対策にもなりますし、アフリカの子どもたちの健康と教育の場を支援しています。

需要に合わせてペレット製造を叶える。トヨタ生産方式に倣った事業を展開する「榎本ビーエー株式会社」

岐阜県各務原市に本社を構える榎本ビーエー株式会社は、環境事業としてペレット製造を作り出す工作機械を設計し販売する企業です。

もともと航空機事業、自社製品の工作機械を企業向けに販売していた榎本ビーエー(株)は、新たに環境事業としてバイオマス燃料を作る事業に参画しました。

無駄を出さない1個流しのトヨタ生産方式

特に同社は自社製品の製作にあたり、無駄を徹底排除するトヨタ生産方式を導入しており、在庫を持たないという点から余剰製品を生み出さないため、目標12「つくる責任つかう責任」にも貢献しているのです。

check! トヨタ生産方式ってなに?

異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない」という考え方(トヨタではニンベンの付いた「自働化」という)と、各工程が必要なものだけを、流れるように停滞なく生産する考え方(「ジャスト・イン・タイム」)の2つの考え方を柱として確立された

TOYOTA「トヨタ生産方式」

環境事業ペレット製造機 ペレタイザーとは

ペレタイザーとは、木質チップなどペレットとなる材料をペレット形状に作り上げる(ペレタイズ化という)装置の総称を指します。ペレタイザーはバイオマス燃料に欠かせない存在です。

榎本ビーエーのペレタイザーにおいては、需要に合わせた分を無理なく製造することで人的負荷も最小限に抑えることができ、かつ環境に優しいバイオマス燃料を普及することができます。

check!  バイオマス燃料ってなに?

間伐材や動植物のあぶらから作られる生物由来の再生可能エネルギーのひとつ。 燃焼によって排出されるCO2の排出量が実質ゼロのカーボンニュートラルの観点から、大気中の二酸化炭素量を増やさないクリーンな燃料

バイオマス燃料についてさらに詳しく知りたい方はこちら

バイオマス燃料とは?SDGsとの関連や具体事例も紹介

榎本ビーエー(株)が貢献するSDGs

榎本ビーエーは目標7に加えて、トヨタ生産方式を導入していることから、目標12の「つくる責任つかう責任」にも貢献しています。

さらに踏み込むと、下記のターゲットに貢献しています。

7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。

7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率、および先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究および技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。

ペレットにまつわる面白いお話

ペレタイザーによって製造された試作のペレットたちは社内でペレットストーブとして使われています。

ペレットといえば木材から作られるというイメージが強いのですが、新聞材や雑誌、竹粉や米ぬかからも作られています。なんと、廃棄オムツからもペレットができるようです。

材料はさまざま。ペレットの世界は奥深いですね。

ペレット製作を検討されている企業様がいらしたらぜひ下記ホームページを参考にしてみてくださいね。

民間を一番のパートナーに。地域貢献型の再エネ事業「おひさま進歩」

長野県南信州にあるおひさま進歩エネルギー株式会社は、エネルギーの地産地消を目指す企業です。

太陽光、水、バイオマスを中心に再エネ事業を行なっています。

初期費用ゼロ。おひさま0円システム

おひさま進歩では、一般家庭や施設等に初期費用0円で太陽光パネルを設置しています。

設置後10年間は定額の料金を支払い、11年目以降はお客様にパネルが譲渡され、発電分のすべてが各家庭の収入となるシステムです。

おひさま進歩が貢献するSDGs

おひさま進歩が貢献する目標7のターゲットは、

7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。

7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。

です。

また、本社所在地である南信州飯田市は全国的にも日照時間の多い地域です。

そのため、いち早く太陽光発電設備導入の補助金制度を実施してきました。

人々が集う場所。オフグリッド・カフェで生きる力を養う「カフェスロー」

「つながりを取り戻す、世界を変える」をコンセプトに掲げるカフェスローは、美味しいご飯とコーヒーをいただきながら、人と人、人と地球のつながりを感じるカフェです。

カフェの電気はどこからきてる?

スローカフェが目標7としてピックアップされた理由は、下記が挙げられます。

  • スローカフェの電気は自然エネルギーを採用(藤野電力協力のもと)
  • 外観の看板照明も風力発電から得ている

これらの点から、地球環境に配慮されたエネルギーを利用したカフェということがわかります。

カフェスローが貢献するSDGs

カフェスローは目標7において下記のターゲットに貢献しています。

7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。

カフェスローが自然エネルギーに着目した理由として、「まちのみんなで自然エネルギーの恵みをシェアしたいから」という想いから始まりました。

出会い、つながりを大切にするカフェスロー。

各種イベント、ワークショップも開催されています。

オフグリッドなカフェで、サードプレイスを楽しんでみませんか。

まとめ

目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の取り組みは再生可能エネルギーの普及だけでなく、普及に伴う社会問題解決にも貢献していることが理解できましたね。

社会問題、環境問題の解決手段は無限。

再エネを通して、人と人、人と地球のつながりを大切にし、持続可能な社会を作り上げていきましょう。

また、電力の自由化を意識していなかった方も、目標7をきっかけに再エネをご自宅に取り入れてみてはいかがでしょうか。